スウェーデン式サウンディング試験
もっとも一般的な地盤調査方法
小規模建築物建築の際の地盤調査として最も採用されている試験方法です。以前は二人作業で手動式の試験機器を用いておりましたが、現在ではほぼ荷重を自動制御可能な調査機器での実施が主流となっております。調査の際ロッド(鉄の棒)に伝わってくる土の接触音 を土質の判別に採用することからサウンディング試験の名前が付いています。25cmごとの荷重と半回転数を記録し、スウェーデン式サウンディング試験によって得られるデータを換算N値化し、支持力を導き出します。地中に大きなガラや地中障害、セメント系固化材使用による表層改良が施してある地盤は機械能力不足により表面波探査やボーリング調査が必要となる可能性があります。
表面波探査
効率よく地盤の状態を
調査することができる方法
表面波探査とは、物理探査の一種です。地盤に人がわずかに感じ取れる程度の小さな振動を起振機で人工的に発生させ、地面の中を伝わる表面波(レイリー波)の速さを2つの検出器にて計測を行い、コンピュータにそのデータを収集して解析を行います。沈下量予測情報取得が可能なことから小規模建築物の地盤調査に採用可能です。
ボーリング調査(標準貫入試験)
土質の判別及び物理・力学試験
実施が可能
1mごとに地盤の硬さを測定する標準貫入試験を行う調査です。通常は土のサンプリングと同時に行います。標準貫入試験によって得られるデータをN値(エヌち)と呼び、地盤の安定性を推定する目安となります。標準貫入試験は、63.5kgの重りを75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する試験で、この打撃回数がN値となります。この調査が必要なのは、RC造や鉄骨造、高い擁壁等の重量構造物で確認申請に構造計算を添付しなければならないときです。スウェーデン式サウンディング試験との大きな違いはある程度の深い層や硬い層でも機械の力で掘り進むことができることです。
平板載荷試験
直接荷重をかけられるから
信頼性が高い
平板載荷試験は、基礎を設置する深さまで掘削を行い、基礎に見立てた小さな鋼板(載荷板:直径30cmの円盤)を置いて実際の建物の重量に見合う荷重をかけて沈下量を測定し、地盤が安全に支持する力を判定する試験です。段階的に荷重をかけ、地盤の影響を見る試験ですので1箇所約半日程度かかります。試験実施の際は、反力としてバックホウのご支給が必要です。
柱状改良工法(3t穴掘建柱車・リーダー式施工機)
基礎下に柱状の改良体を
打設する工法
軟弱地盤の土にセメントミルク(セメント系固化材と水を混ぜたもの)を注入撹拌して、地中に柱状の改良体を作る工法です。軟弱層が深部まで分布している場合に適用。GL-8.0m程度まで施工が可能です。
鋼管杭工法
小口径鋼管杭から
各種認定鋼管杭工法
支持層まで小口径から大口径の鋼管杭を打設し建物を不同沈下から守る工法です。非認定の鋼管杭工事から各種国土交通省認定の鋼管杭まで採用することが可能です。
表層改良工法
比較的浅い軟弱層の分布深度が
浅い場合に採用
軟弱層がGL-2.0m以浅に分布している場合に適用。セメント系固化材を軟弱地盤に散布して、原地盤の土と混合・撹拌・転圧を行い版状の固結体をつくる工法です。浅い深度の地盤改良で古くから採用されてきましたが近隣家屋が近接している場合は慎重な採用検討が必要です。
沈下修正工事(鋼管圧入工法)
安定した地盤が深い場合に
適した工法
不同沈下を起こした建物の基礎下に油圧ジャッキを設置し、建物の重さを反力に短い鋼管を支持層まで圧入し、建物を水平レベルまで修正することを目的とした工事です。【注意点】地中にガラや転石が埋設されている場所は鋼管杭が地中障害により高止まり、所定の支持層まで入れることができず再沈下を起こす可能性があります。
沈下防止工事(薬液注入工法)
地中の隙間を充填することで
地盤の安定化を図る
沈下修正工事に比べ比較的安価におこなえる工事です。地中に隙間が多い地盤にセメント系の薬剤を圧送ポンプで充填することで地盤を安定化させこれ以上の沈下進行を防せぐ工法です。状況によっては構造物の沈下レベルを軽減できる事もありますが概ね現状維持を目的に使用します。
【注意点】安価な工法ですが下記デメリットもあります。
①隙間という隙間に入り込むことから打設周辺の配管(雨水・汚水)を詰まらせる可能性がある。
②植栽の根に薬剤が取り巻いてしまうと枯れる恐れがある。 ③圧送ポンプによる圧力で建物外壁や基礎にクラックが発生したり、CB塀や擁壁等の外構物にクラックや隆起が発生したりする可能性がある。
陥没充填工事(流動化処理土注入工事)
何らかの原因で建物廻りや内部で発生した陥没を流動化処理土で
充填し、空洞を埋める工事です。
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